働き方が多様化する現代社会において、リモートワークをしている社員や離れた拠点とも内線通話ができるクラウド電話が注目を集めています。クラウド電話でも03番号は使用可能なので、導入するメリットやサービスを選ぶときのポイントを押さえ、業務効率の向上に役立てるとよいでしょう。
この記事では、クラウド電話の概要や導入するメリット、サービスの選び方などについて解説します。
クラウド電話とは、クラウド上のPBX、通称「クラウドPBX」を使って通話する電話システムのことです。
クラウド電話では、ベンダーがサーバー上に設置したシステムを、インターネットを介して利用できる「クラウドコンピューティング」の技術を活用しています。これにより、企業はソフトウェアなどを購入・管理する必要がなくなり、業務効率化やコスト削減などのメリットを得られます。
クラウド電話は電話に必要な機能がインターネット上にあり、従業員の数に応じた内線の増減などが簡単に行なえることも特徴の一つです。物理的なPBXを設置する工事なども不要で、その分の手間やコストを削減できることから、クラウド電話は現代社会において広く普及しています。
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ここからは、クラウドPBXの仕組みや具体的な利用シーンについて解説します。
PBX(Private Branch Exchange)とは、外線と内線、または内線同士の接続を制御する電話交換機のことです。外線の転送や内線通話を行なうにはPBXが必要であるため、ビジネス用途には欠かせない機器といえます。
クラウドPBXでは、回線と電話機を管理するための主装置をクラウド上に設置しています。対してレガシーPBX(電話回線を利用した従来型のPBX)の場合は、主装置設置のための場所を確保したり、配線工事を実施したりしなければなりませんでした。
また、インターネットにつながっていれば、スマートフォンやタブレット、パソコンなどでも利用できます。幅広い端末で外線や内線、転送などの便利な機能を自由に使えることも、クラウドPBXの魅力です。
このように、クラウドPBXではインターネットを利用することで、ビジネスフォンの遠隔一元管理を実現しています。
クラウドPBXの具体的な利用シーンとしては、テレワークでのコールセンター業務がまず挙げられます。インターネットを介したクラウドPBXなら、オペレーターがいつどこにいても顧客の問い合わせに対応可能です。
拠点が複数ある企業でも、クラウドPBXが役に立つでしょう。代表番号へかかってきた電話をほかの拠点に取り次ぎたいとき、レガシーPBXでは折り返しが必要ですが、クラウドPBXならそのまま電話を取り次げます。
敷地が広く、移動が大変な工場や倉庫との通話も、クラウドPBXを活用しやすいシーンの一つです。担当者が電話口に到着するのを待つことなく、スマートフォンなどで代表番号への受電に素早く対応できます。
その他、オフィスをフリーアドレスにしたいときもクラウドPBXが活躍します。クラウドPBXならどこにいてもビジネスフォンを使えるため、社員の席を固定する必要がありません。
クラウドPBXでは、IP電話の専用番号である「050」はもちろん、「03」などの市外局番も利用できます。市外局番は社会的な信頼性が高く、ビジネス用途に適しています。「03」「042」「06」など、オフィスのある場所に応じた市外局番が使えるのは、クラウドPBXの大きなメリットです。
その他、「0120」や「0800」などのフリーダイヤルも利用可能です。フリーダイヤルは電話をかける側に通話料金が発生しない仕組みで、問い合わせのハードルを下げる効果があります。クラウドPBXなら、スマートフォンでもフリーダイヤルの発着信ができて便利です。
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クラウドPBXには、従来のビジネスフォンにはないメリットが多数備わっています。コスト削減や柔軟な働き方などを実現したい場合は、導入を検討するとよいでしょう。
ここでは、クラウドPBX導入の4つのメリットを紹介します。
従来の仕組みでは、ビジネスフォン導入時の配線工事などで多額のコストが発生していました。ハードウェアの購入費用も必要なうえ、工事が終了するまではビジネスフォンを利用できませんでした。
一方、インターネット上にPBXを設置するクラウドPBXなら、気軽に導入・運用できます。配線工事などが不要なので効率的にコストを削減でき、導入に時間もかかりません。
さらに、クラウドPBXの通話料は従来型の固定電話に比べて安い傾向があります。
アナログ回線のように遠距離の通話料が高くなることもなく、内線通話は無料で利用可能です。拠点同士の通話も内線化により無料化できるため、業務上の通話料を安く抑えられます。
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従来型のビジネスフォンの場合、主装置や回線、固定電話機などがすべて有線接続されていました。そのため、電話を使うためにはオフィスにいる必要があり、利用場所の制約が大きいのが難点でした。
一方のクラウドPBXは、端末がインターネットにつながってさえいれば利用できます。スマートフォンのアプリでも通話でき、場所に縛られずに利用できるのが大きなメリットです。従来のようにオフィスにいなくても通話できるため、テレワークなどでも便利です。
スマートフォンから会社の電話番号での発信ができるため、迅速な対応が可能となり、外出中にビジネスチャンスを逸する事態も避けられるでしょう。
オフィスでの勤務とテレワークを併用している場合、従来のビジネスフォンでは電話の取り次ぎで社員に負担がかかっていました。
固定電話に着信が入り、それがテレワークの社員への問い合わせだった場合、オフィスの社員が取り次がなくてはならないためです。電話の取り次ぎに追われ、オフィスでの仕事がはかどらない場合もあるでしょう。
対して、クラウドPBXならテレワークの社員も、固定電話番号への着信に直接応じられます。その結果、電話の取り次ぎの負担が軽減され、オフィスで働いている社員もコア業務に集中できるようになります。
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クラウドPBXは、従来のビジネスフォンに比べて多様な機能が備わっています。インターネットを通じて幅広いツール・アプリと連携することで、業務効率の向上や余分なコストの削減に役立てることが可能です。
クラウドPBXで利用できる機能の例として、インターネットFAXが挙げられます。これは、既存のFAXと接続することで、インターネット上で送受信の確認ができる機能です。
そのほか、通話録音機能では外線通話などを録音し、インターネット上で録音データの確認や削除、共有、バックアップなどができます。
また、コンピュータと電話システムを連携させるCTI連携によって、顧客から着信があった際に、その顧客の情報を画面上に自動表示させることも可能です。この機能を活用することで、顧客対応の品質向上につながるでしょう。
加えて、ビジネスチャットや同時一斉着信、パーク保留など、便利な機能で業務効率を高められるのがクラウドPBXの魅力です。
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結論からいうと、クラウド電話は03番号に対応しています。
固定電話番号は「0-市外局番-市内局番-加入者番号」の通常10桁で構成されています。冒頭の0は「国内プレフィックス」と呼ばれる数字で、国内通話であることを示す記号です。つまり、「03」とは国内プレフィックスの「0」に、東京の市外局番である「3」を付けた番号です。
東京23区と一部の周辺地域における固定電話には、「03」から始まる電話番号を与えられます。該当のエリアに拠点を置いている企業は、対象の固定電話を契約することで03番号を取得できます。
クラウド電話でも03番号に対応可能です。ただし、すべてのクラウド電話で03番号が取得できるわけではないため、IP電話専用でないことを事前に確認する必要があります。
通常の固定電話の場合、03番号で発着信が行なえるのは実際に東京にある拠点のみです。対して、クラウド電話では拠点が東京にあれば、他地域の支店や従業員の自宅でも03番号が利用できます。
東京の市外局番である03番号は社会的信用度が高く、顧客や取引先に安心感を与えられます。社会的信用度の高さは、金融機関から融資を受ける際など、幅広い場面で企業にとって有利に働くでしょう。
また、03番号を使っていれば、電話番号を見るだけで東京を拠点にしていることが伝わります。東京在住の人や、同じく東京を拠点にしている企業は安心感や親近感を抱いてくれるはずです。
050番号などに比べて、通話品質が安定していることもメリットの一つです。
固定電話番号を使用するためには、「事業用電気通信設備規則」で定める通話品質の基準をクリアする必要があります。つまり、クラウドPBXのなかでも固定電話番号が使えるサービスは、一定レベルの通話品質が保証されているということです。
03番号が使えるクラウドPBXにはさまざまな種類があります。比較するべきポイントを押さえ、業務効率の向上やコスト削減に役立つサービスを選定するとよいでしょう。
ここからは、クラウド電話を選ぶときのポイントを4つ紹介します。
クラウドPBXに備わっている機能はサービスごとに異なります。例えば、ビジネスツールとしての機能性を重視するなら、チャットやインターネットFAXなどの機能があると便利です。これらの機能が同一のインターフェース上で扱えれば、利便性が高いといえるでしょう。
また、導入を検討しているクラウドPBXの機能によって、現在抱えている課題を解決できるか、という点も重要です。検討しているクラウドPBXの担当者に、課題解決につながるか相談してみるのもよいでしょう。
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クラウドPBXが対応できる導入規模もサービスごとに異なるため、事前の確認が必要です。利用できる最少および最大の人数が自社の規模に合っているか、導入を決める前にチェックしておきましょう。
導入規模によって価格が変わることもあるため、コストまで含めて確かめておくことが大切です。大企業なら最大利用人数が多いサービス、スタートアップなら少人数でリーズナブルに使えるサービスといったように、適切なクラウドPBXを探してみてください。
クラウドPBX選びでは、ツールの操作性も業務効率を左右するポイントです。操作性が悪いと、操作ミスで顧客に悪い印象を与えてしまう恐れなどがあります。豊富な機能があっても使いこなせなければ意味がないため、機能性と操作性を両立していることをチェックしておきましょう。
操作のしやすさを確かめたいときは、ベンダーの提供する無料トライアルで試すのがおすすめです。無料トライアルで各機能の操作性や時間帯ごとの通話品質、スマートフォンとの相性などを確認し、感触の良いサービスを探してみるとよいでしょう。
クラウドPBXを導入すると、初期費用や毎月の運用コストがかかることになります。従来のビジネスフォンに比べればコストをカットしやすいものの、設定料金はベンダーごとに異なります。
オプションの追加などで想定外の料金になる場合もあるため、運用コストを計算したうえでサービスを選ぶことが大切です。納得できる料金設定で、使いやすさや通話品質、機能性が必要十分なサービスを選定するのがおすすめです。
クラウド電話で03番号を使いたい場合は、「クラウドPBX SPICA」の利用がおすすめです。
SPICAなら、NTTの03や06から始まる電話番号、楽天の050から始まる電話番号をそのまま引き継いで利用できます。スマートフォンにアプリをインストールするだけで利用できるため、電話機や電話回線の導入は不要です。直感的に使える優れた操作性にも定評があり、ITツールが苦手な方にもおすすめです。
問い合わせのあと、プロの選任コンシェルジュが顧客ごとに最適なプランを提案します。アフターフォローも充実しているため、安心してサービスを利用できます。
03番号の信頼性とクラウドPBXの利便性を両立させたい場合は、SPICAの利用をぜひご検討ください。
クラウド電話では、03番号などの固定電話番号にも対応しています。03番号はIP電話専用の050番号などに比べて社会的信用度が高く、通話品質が安定していることもメリットの一つです。
また、クラウド電話はリモートワーク先や外出先でも内線通話が使えるなど、利便性の高いサービスです。導入することで、業務効率の向上やコスト削減にもつながるでしょう。
SPICAは、優れた操作性や充実したフォロー体制に定評のあるクラウドPBXです。03番号もそのまま引き継げるので、興味がある方はお気軽にお問い合わせください。
クラウドPBX SPICA(スピカ)|クラウドPBX NAVI