PBXは外線の取次や社内での内線通話など、連絡手段として電話を利用する企業にとって重要なシステムです。
また、PBXにはいくつかの種類があり、費用面や導入のしやすさなどで向き不向きが変わります。ものによっては初期コストが数百万円と非常に高いため、導入が難しいと感じるでしょう。
一方、クラウドPBXであれば、物理的な主装置を必要としないことから低コストで導入可能です。さらに、クラウドPBXアプリを使うことでスマートフォンを業務用の電話機として使用できるといったメリットがあります。
この記事では、PBXで電話対応業務を効率化させる特徴や、メリットについて解説します。
まずは、クラウドPBXアプリについて解説します。PBX(Private Branch eXchange)は電話交換機のことで、要は外線や内線を集約するシステムです。
クラウドPBXはPBXの種類の一つであり、アプリを利用することでスマートフォンを内線端末とて利用できます。
クラウドPBXは、レガシーPBX、IP-PBXのハードウェア型のように物理的な主装置を必要としません。さらにインターネット回線を使用するため、導入コストが低いだけではなく、工事の必要がないのも特徴でしょう。
そして、専用のクラウドPBXアプリをインストールすれば、スマートフォン・タブレット・パソコンから利用できるため、固定電話機を設置する必要もありません。
もちろん、必要な場合は固定電話機を導入することも可能です。
クラウドPBXについては以下の記事でも詳しく解説をしています。
関連記事:クラウドPBXとは?メリット・デメリットと選び方のポイントをわかりやすく解説
クラウドPBXアプリを使用する方法は、契約するベンダーの専用アプリを端末にインストールするだけです。
アプリを採用しているクラウドPBXは多く登場していますが、すべてのサービスで用意されているわけではありません。アプリでPBXの機能を利用したいのであれば、アプリに対応しているベンダーを選びましょう。
アプリに対応さえしていれば導入自体は難しくなく、各ベンダーが導入マニュアルを用意しています。
続いて、クラウドPBXアプリを業務用のスマートフォンなどに導入するメリットを解説します。
クラウドPBXアプリを導入する一番のメリットは、スマートフォンを内線端末として使用できることです。
総務省の「令和4年 通信利用動向調査(世帯編)」によると、 スマートフォンの所有率は90%を超えています。
そのため、社用端末として利用している企業も多いでしょう。
内線用の子機を別途用意して設置するよりも、アプリをダウンロードしスマートフォンにインストールして利用するほうが効率的です。子機を購入する必要がないため、コスト削減にもつながります。
また、外出先でも会社の電話番号で発着信が可能なため、居場所に関係なく顧客の対応などが可能です。いつどこにいても即座に対応できることから、顧客を待たせることもなく、顧客満足度の向上も期待できます。
社外にいても会社の電話として発着信できることから、一つの拠点に縛られないことも大きな魅力です。
例えば、会社の拠点がいくつもある場合に顧客から連絡が入ったとしましょう。従来であれば拠点や社用携帯にほかの従業員から連絡が入り、顧客へかけ直すという手順でした。
クラウドPBXアプリをインストールしたスマートフォンであれば、直接内線で電話を取り次ぐことができます。顧客としても待つ時間が少ないだけではなく、折り返しの電話に出られないといったこともありません。
また、最近ではテレワークが促進されているため、自宅で仕事をしている際に会社の電話を受けたいといった場合にも有効でしょう。
従来は社内で内線を利用するためには子機の増設が必要でした。導入する数が多くなるほど、コストはかさみます。
クラウドPBXアプリの場合は、すでに従業員が利用しているスマートフォンにアプリをインストールするだけです。つまり、新たに子機を購入する必要はありません。
さらに、外出している従業員にも内線で通話できることから通話料が発生しないため、設備導入や通信にかかるコストを大幅に削減できます。
実際、クラウドPBXを導入したことで、コストを圧縮できた事例をいくつか紹介します。
イニシャルコスト・ランニングコストともに他社サービスよりも抑えられました -導入事例|クラウドPBXNAVI【SPICA】
ビジネスフォンと比べてコストが低い -導入事例|クラウドPBXNAVI【SPICA】
通信コストが引き下げられました -導入事例|クラウドPBXNAVI【SPICA】
従来は外出先で急に顧客へ連絡する必要が生じた場合、スマートフォンに連絡先が入っていなければ、一度会社に確認するしかありませんでした。
しかし、クラウドPBXアプリなら会社に登録されている連絡先を共有できるため、外出先でも自分で確認できます。
さらに、子機にしているスマートフォンに着信が入った場合にも、社内で登録している顧客名が表示されます。
クラウドPBXアプリを利用すると連絡先を一元管理できるため、着信があったのに誰かわからない、出先で顧客に電話をしたいのに相手の電話番号がわからない、といった小さなストレスを解消可能です。
クラウドPBXアプリはインターネット回線を利用するため、従来の固定電話のような高品質な通話ができないこともあります。
ただし、対策は可能です。必要であれば通信環境の改善も考えましょう。
クラウドPBXアプリでの通話品質が低下する原因はいくつかあります。
原因としてはおもに上に挙げたような理由が考えられます。
まず、自社のネットワーク環境に問題がある場合です。クラウドPBXは電話回線ではなくインターネット回線を使用するため、通信環境が悪ければ通話品質も落ちてしまいます。
次に、サービス提供会社のサーバーが脆弱な場合です。これは信頼できるサービスを選べば大きな問題にはなりません。例えば、セキュリティが脆弱なサービスでは、サイバー攻撃を受けるなどの要因によってサーバーに負荷がかかり、通話品質が低下してしまうこともあります。
最後に、キャリアが原因となる場合です。例えば、端末自体に通信制限がかかったり回線が混雑したりすることにより、通話品質が不安定になることも少なくありません。
通話品質を保つために一番重要なことは、信頼できるサービスを選ぶことです。クラウドPBX SPICAであれば、総務省の最高品質基準Aクラスを獲得しているため、通話品質にこだわる企業にもおすすめです。
外出先でも外線や内線に対応できる便利なクラウドPBXアプリですが、通話品質が悪ければ実用的ではありません。
契約するサービスが、通話品質の高さを売りにしているかどうかで選ぶのも重要ですが、まずは自社の設備や通信環境を見直してみてください。もともとの通信速度が遅いのであれば別の回線やサービスに変更する必要があるかもしれません。
クラウドPBXアプリを利用する前に通信速度や提供エリア、月額料金なども検討する必要があるでしょう。
クラウドPBXにおける通話音質については以下の記事でも詳しく解説をしています。
関連記事:クラウドPBXの音質で失敗しないための選び方と音質を良くする方法を解説
近年BYODを導入する企業が増えてきています。クラウドPBXとの相性も良いため、ぜひ選択肢の一つに入れてみてください。
BYOD(Bring Your Own Device)は、社用ではなく個人のスマートフォンやタブレットを業務で利用することです。
クラウドPBXアプリのように、基本的に端末に関係なくインストールできるシステムとの親和性は非常に高いといえます。ただし、メリットもあればデメリットもあるため、利用する前にしっかりと確認しておいてください。
企業としては社用スマートフォンを準備する必要がないため、コストの削減につながります。社用端末を用意する場合、従業員が増えるたびに新しい端末を購入しなければならず、また故障すれば修理も必要です。
従業員からすると、個人用・社用2つのスマートフォンを持ち歩く必要がありません。また、普段から使い慣れているスマートフォンということもあり、使用方法に迷うことも少ないでしょう。
BYODで個人のスマートフォンを社用として利用する場合、端末の環境は従業員の管理に委ねることになります。例えば、セキュリティ対策や紛失・盗難など、会社側ではどうにもできないトラブルもあるでしょう。
ある程度はルールを定めることで回避できますが、個人の所有物ということもあり厳しく管理することは難しいかもしれません。BYODを導入するメリットは大きいものの、同時に回避が難しいデメリットがあることも忘れないようにしてください。
クラウドPBXアプリは、スマートフォンが普及した現代では非常に便利なシステムといえるでしょう。導入もしやすく、コストもほかのPBXと比べて安く抑えられます。
しかし、インターネット回線を利用することから、通話の品質に問題が起きることも少なくありません。導入を検討しているのであれば、便利な面だけではなく、生じる可能性のある問題についても事前に把握しておいてください。
また、クラウドPBXアプリを展開しているサービスは多いため、選択に迷うかもしれません。そこで、まずは「クラウドPBX SPICA」を検討してみてはいかがでしょうか。
もちろんアプリも用意されており、社内でも外出先でも便利に利用できます。無料お試し期間を設けているため、サービスが良ければ継続、悪ければ解約といった柔軟な判断も可能です。
クラウドPBX SPICA(スピカ)公式サイトはこちら